J3沼津本拠地 照明改修にめど 沼津市長とクラブ側が会見

 Jリーグライセンス基準を満たさないサッカーJ3アスルクラロ沼津の本拠地の照明改修へ補助を決めた沼津市の頼重秀一市長は29日の定例記者会見で、補助の決め手としたクラブによる経済効果について具体的な数値をまとめていないことを明かし、「今後、データを出せるよう関係部局と連携したい」とした。一方、クラブ運営会社の山本浩義会長も同日会見し、「地元から好選手を発掘し、育てていきたい」と地元密着で沼津を盛り上げたいと述べた。(東部総局・尾藤旭、山本萌絵佳)

定例記者会見で、アスルクラロ沼津への照明改修費補助について説明する頼重秀一市長=29日午前、沼津市役所
定例記者会見で、アスルクラロ沼津への照明改修費補助について説明する頼重秀一市長=29日午前、沼津市役所
照明改修のめどが立ち、「地元から好選手を発掘したい」とチーム強化への決意を語る山本浩義会長=29日午後、沼津市内
照明改修のめどが立ち、「地元から好選手を発掘したい」とチーム強化への決意を語る山本浩義会長=29日午後、沼津市内
定例記者会見で、アスルクラロ沼津への照明改修費補助について説明する頼重秀一市長=29日午前、沼津市役所
照明改修のめどが立ち、「地元から好選手を発掘したい」とチーム強化への決意を語る山本浩義会長=29日午後、沼津市内

 

市長 地域貢献を高く評価

 沼津市の頼重秀一市長は「アスルクラロ沼津は県東部唯一のプロサッカーチーム。沼津の名を全国に広めてくれている。その効果は大きい」とし、改めて税金から支出する照明改修補助への意義を強調した。加えて「総合型地域スポーツクラブとして、高齢者向けの事業や、子どもたちの健全育成にも協力している」と地域への貢献を高く評価した。
 今回の照明改修で、クラブは当面のJリーグライセンス維持の見込みが立ったが、今後のJ2への昇格には本拠地のスタンド増設など、さらなる施設の改修が必要。追加の改修などに市が新たに支援にすることには、「時々の状況による」と明言を避けた。
 また、2022年1月期決算で債務超過に陥ったことについて、好成績を収めることが財務の好転につながるとの見解を示し、「J2に昇格するには、経営体制が高いハードルになる。財政運営に努力してもらいたい」と注文を付けた。

 

J3沼津 育成型クラブ目指す

 アスルクラロ沼津は地域密着に向け、企業とのコラボ企画やマスコット作成、官民がホーム戦がある週に青いシャツを着てもらうプロジェクトを打ち出した。
 会見は、本拠地の照明改修補助費を計上した補正予算が沼津市議会で29日に可決したことを受け、市内で開催。山本会長と渡辺隆司社長らが方針などを示した。
 今後の予定は、30日に来季のJリーグライセンス申請を行って10月ごろに着工、全投光器330台のLED化、年内の改修完了による県への譲渡などとした。J2ライセンス取得に向け、競技場内のドーピング検査施設の整備など県と協力して取り組む考えも明らかにした。
 財務改善に向けては、スポンサーの拡充やコラボ企画などで集客を狙い収益増を見込む。企画や取り組みを市民らに「見える化」して支持を高めていくとした。
 渡辺社長は新人選手をチームで育てる育成型クラブを目指すとし、山本会長は「地域に愛されながら勝っていきたい」と現在12位のチーム立て直しに決意を述べた。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞