記者コラム「清流」 障害者家族の声が必要

 地元から離れた特別支援学校に通う子どもは地域と接点が少ない場合がある。ある保護者は、息子が近所から冷ややかな目で見られ地域で浮いていると嘆く。
 富士市で知的障害者の保護者向けに開かれた講演会で、東日本大震災時の避難所で障害に周囲の理解を得られず退出を求められた事例が紹介された。障害者が最寄りの場所で過ごさざるをえないケースは多い。講師は、保護者が地域の訓練に積極的に参加して協力を求めてと呼び掛けた。
 この保護者は「息子のために私が勇気を出さなきゃ」と覚悟を決めた。覚悟しなくていいかもしれない。知的障害者への配慮は防災訓練で参加者からよく出る悩みだ。地域も障害者家族の声が聞きたいはず。温かく迎えてくれるだろう。
 

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