静岡人インタビュー「この人」 佐藤希さん 第25代高校生平和大使に選ばれた

 国内外で核兵器廃絶や世界平和の実現を訴える活動の旗振り役を担う。27人の高校生が参加した県内選考会を突破し、高校生平和大使に任命された。県内では11代目。韮山高(伊豆の国市)の理数科1年生。15歳。

佐藤希さん
佐藤希さん

 -応募のきっかけは。
 「曽祖父母が1945年に広島市に近い島から原爆の黒雲を見た、という話を聞いたり、実際に広島を訪れたりして核の恐ろしさを学んだ。ロシアのウクライナ侵攻などを背景に世界中で平和や核の議論が活発化している今、未来を担う一人として声を上げなくてはと思った」
 -同世代に活動の輪を広げる取り組みは。
 「平和について自分の意見をしっかりと確立している同世代は少ないと思う。交流サイト(SNS)で分かりやすく情報を発信し、学校のクラス内でディベートのような形で平和を議論する機会を増やすなど、高校生ならではの活動を進めたい」
 -ロシアのウクライナ侵攻についてどう思うか。
 「インターネットが発達し、離れた人同士でも心が通じ合える時代に、核をちらつかせながら他国を侵攻するなどあってはならない。旧ソ連時代は同じ国だった2国の国民が、互いに憎み合っているわけではないはず。話し合いで解決してほしい」
 -抱負を。
 「母校の三島市立北中の前には、太平洋戦争で使われた歩哨舎の跡があり、昔戦争があったことをありありと感じさせる。第五福竜丸の事件をはじめ、県内には核や戦争の爪痕が多く残っている。今年は戦後77年。当事者の生の声が失われつつある中、自分たち高校生が代弁者となり、世界中の友達と手を取り合って平和の尊さや核兵器の危険性を訴えていきたい」
 

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