堀内誠一の魅力とは 長女が創作エピソード語る 長泉

 アートディレクター、デザイナー、絵本作家など多彩な分野で活躍した堀内誠一(1932~87年)の画業をたどる「堀内誠一 絵の世界」展を開催中のベルナール・ビュフェ美術館(長泉町)はこのほど、長女の堀内花子さんによるギャラリートークを開いた。家族が知る当時の創作エピソードを語った。

展示を巡りながら、創作当時のエピソードを紹介する堀内さん(右)と聞き手の林さん=長泉町のベルナール・ビュフェ美術館
展示を巡りながら、創作当時のエピソードを紹介する堀内さん(右)と聞き手の林さん=長泉町のベルナール・ビュフェ美術館

 展示を企画協力したキュレーター林綾野さんを聞き手に迎え、約40人が耳を傾けた。花子さんは幼少期にゾウが主人公の絵本「ぐるんぱのようちえん」を描く父を真横で見たといい、同作がヒットした後「ゾウを描く仕事が増えて大変」とこぼしたという。堀内は雑誌の仕事が非常に早く、「BRUTUS」などのロゴについて「ちょっとダサい、手書きで完璧じゃないのが特徴」と評した。
 同展は25日まで。パリ移住後に描いた風景画について林さんは「純粋に絵に向かう心を感じる。児童文学や雑誌の仕事に関わりながら、絵への思いが強かったのでは」と推察。花子さんは「父が本当に絵が好きだったことが分かる展示になった」と話した。

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