オリジナル印章販売 創業100年 沼津の「一泉堂」新装

 創業100年を迎えた沼津市市場町の印章店「一泉堂」は7月、店舗を改装オープンした。改装に合わせて、これまでイベントのみで販売していたオリジナルブランドの印章と、印章の端材の水牛角を加工した彫金アクセサリーの店舗販売も開始。4代目の辻村岳年さん(43)は「伝統的な手彫りの印章の価値を未来に残すために変わっていく」と意気込む。

印章やアクセサリーの店舗販売を始めた岳年さん(右)と真梨子さん=沼津市市場町の「一泉堂」
印章やアクセサリーの店舗販売を始めた岳年さん(右)と真梨子さん=沼津市市場町の「一泉堂」

 1級印章彫刻技能士の岳年さんと金工を手掛ける妻真梨子さん(39)は2019年、創業した大正時代のガス灯の意匠を現代風に解釈した印章ブランド「佳宵の燈」を立ち上げた。岳年さんが手作業で削り出した水牛角や柘植などの印材に、漆や真梨子さんによる彫金加工を施し、モダンで使いやすい印章をオーダーメードで仕上げる。
 約30平方メートルの店内は「古くて新しい大正」をイメージしたモノトーン調。佳宵の燈各種のほか、オリジナルの装身具ブランド「ISSEN」の指輪やピアスなど約50種類を展示販売している。岳年さんは「店を訪れてあつらえる文化を大切にしたかった。販売のみならず、古いものを未来に伝える活動をする人との交流や体験の場にしたい」と話した。
 火水休み、土日のみ予約制、予約優先。駐車場1台あり。予約は同店のインスタグラムへ。

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