消滅集落の神事に光 浜松・佐久間地区「花の舞」面 静岡文化芸術大で企画展

 浜松市中区の静岡文化芸術大で15日、天竜区佐久間町の佐久間ダム(1956年完成)の建設に伴ってダム湖底に沈んだ山室集落を紹介する企画展が始まる。開催を前に14日、関係者による内覧会が開かれた。消滅した山村の文化に、学生らがスポットを当てた。展示は20日までで、入場無料。

花の舞で使用されていた面などが並ぶ展示=浜松市中区の静岡文化芸術大
花の舞で使用されていた面などが並ぶ展示=浜松市中区の静岡文化芸術大

 山室集落と佐久間ダムの位置関係、集落で伝承していた神事「花の舞」をパネルや映像で紹介する。山室集落はダム建設に伴って解散したが、花の舞で使用された神や鬼を象徴する面は佐久間地区で保管されてきた。展示では榊鬼、山見鬼など11点の面が並ぶ。
 展示は同大の「地域連携演習」の一環で、受講する学生10人が佐久間地区の舞などについて調べ、展示作業やSNSでの発信を進めた。現地周辺にも足を運んだ。調査により、これまで佐久間地区の人々も知らなかった面の名前が判明した。他地区の類似した舞と比較することで、それぞれの面がどの演目で使用されたかも調べた。
 内覧会に訪れた佐久間神社氏子総代会の今泉尚人会長は「きれいに展示し、面の名前まで調べてくれた。後輩の学生たちにも伝えてほしい」と感謝した。
 (浜松総局・日比野都麦)

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