静岡人インタビュー「この人」 風間昌美さん 骨髄ドナー登録の普及に尽力

 2018年から静岡骨髄バンクを推進する会の会長を務める。骨髄バンク事業の普及、啓発活動を20年以上続けている。71歳。

風間昌美さん
風間昌美さん

 -活動を始めたきっかけは。
 「40年以上前においが血液の病気になり、骨髄移植に関心を持った。ドナー登録をして10年目に依頼があり提供したが、当時は周囲から『なぜそんな怖いことをしたのか』と言われた。ドナー登録や提供が普通のことにならなければいけないと、周知する必要性を感じた」
 -県内のドナー登録状況は。
 「5月末現在の登録者数は9176人。競泳の池江璃花子選手が白血病を公表した後は全国的に登録者数が増え、本県も9300人以上になったが、その後は再び減少した。人口千人当たりでは5・85人と全国46位。2月に最下位を脱出したが、依然少ない状態が続く」
 -活動内容を。
 「県の委託を受け、学校や企業での出前授業や専門家を招いた講演会、街頭活動に取り組んできた。最近は新型コロナウイルス感染症の影響で思うように活動ができていない。献血ルームや登録会場で説明員を派遣し、登録手続きの支援も行っている。昨年は大学を訪問して学生に登録を呼びかけ、登録説明員の養成研修も始めた」
 -ドナー登録増への課題は。
 「ドナーやドナーの勤務先への休業補償が必要。県は本年度、助成制度を設ける市町に費用の半分を補助する事業を始めた。助成制度を導入した市町は増えたが、志太榛原と伊豆半島はまだ少ない。骨髄などの提供時には検査や入院で1週間ほど必要になり、経済的な補償は登録の後押しになる。登録説明員を増やすことも重要で、他県では効果が出ている」
 (社会部・佐野由香利)

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