記者コラム「清流」 制服と性別

 通っていた公立の中学と高校は、男子生徒は詰め襟の「学ラン」だった。女子生徒はスカートが当たり前の時代だった。
 最近は多様性への対応からスラックスを着用した女子生徒を見掛けるようになった。伊豆市の修善寺、天城、中伊豆の3中学校が統合する新中学校でも、女子生徒はスラックスを選択できるという。
 自分の同級生の中でも見た目と心の性別が一致しないという人は少なくない。SNSで公表した人もいる。自認とは異なる性の制服を毎日着ていた同級生の苦痛は、当時の自分は考えられなかった。
 社会が多様性を受け入れ、1人でも多くの人を苦しみから解放してほしい。そもそも話題に取り上げること自体がなくなるのが、目指すべき社会の姿だろうか。
 (大仁支局・小沢佑太郎)

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