記者コラム「清流」 話せるつながり

 悩み事を相談したいとき、誰に話すべきかという第1段階で立ち止まることがある。悩みのタネに近すぎず、かつ、性格や環境を理解してくれる人は、そう多くないからだ。
 富士市は、子どもの自殺を減らそうと、中学生向けにSOSの出し方講座を開いている。悩みを抱え込まないように、信頼に値する大人の見極め方を教える。話を最後まで聞き親身に考えてくれる人を選ぶよう伝えている。
 そもそも、子どもの人間関係は学校や習い事に限られ、大人との出会いが少ない。ある生徒は「つらくなる前に信頼できる大人を探したい」と話した。講座に加え、人間関係を広げる機会も必要だ。
 かく言う県外出身の記者は周囲と「取材」を通して知り合ってばかり。中学生に習って、別のつながりも探そう。
 (富士支局・国本啓志郎)

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