記者コラム「清流」 「都市」「地方」の曖昧さ

 沼津市に赴任してから1年がたち、上京前には分からなかった地元の地の利を実感している。海も山も都心へも1時間足らずで行くことができる。県東部の良さは「都市」と「地方」のアイデンティティーを、都合よく使い分けられることにあるのではないか。
 この面白さを伝えたいがために最近、都内在住の友人に東部周遊観光プランを提案するようになった。その度に聞くのが「意外と近いね」という感想だ。実は東京に近いと思っているのは私だけで、東京人にとって静岡は「遠くの地方都市」に過ぎないという現実を突きつけられるのだ。
 「都市」と「地方」は明確に分断されず、地続きであること。その曖昧さが生活の豊かさにつながっていること。都市の人に伝えるにはどうすればよいか、模索している。
 (東部総局・菊地真生)

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