記者コラム「清流」 小さくてたくましい幼魚

 指先ほどの魚が水槽内の海藻や砂の中に身を潜める。清水町の商業施設「サントムーン柿田川」に、海洋生物の幼魚や幼生を専門に扱う世界でも珍しい「幼魚水族館」がオープンした。
 小さなフグやクラゲの姿はとても愛らしい。館長を務めるタレントの鈴木香里武さんは「かわいらしさはもちろん、幼魚たちのたくましい生きざまを見てほしい」と話す。枯れ葉に擬態するナンヨウツバメウオ、漂流物に隠れるアミモンガラ-。厳しい自然界での生存戦略に驚いた。
 ビニール片やペットボトルなどのごみを入れて、実際の生息環境を再現した水槽もある。自分たちの生活が幼魚の暮らしにまで影響を与えていることが分かれば、意識も変わるはず。小さくて壮大な魚の世界は学びに満ちていた。
 (東部総局・山川侑哉)

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