もう一つの終戦祈るヒマワリ ウクライナ思い栽培 御殿場で見頃

 御殿場市の有志が平和を願って配布したウクライナ国花のヒマワリの種が各地で育ち、見頃を迎えている。「咲くころには戦争が終わり平和に」との願いはかなわなかったが育てた人たちは成就する日まで同国に心を寄せ続けるつもりだ。

井上さん宅の駐車場に咲くヒマワリ=御殿場市神山
井上さん宅の駐車場に咲くヒマワリ=御殿場市神山

 同市神山の井上遵子さん(69)宅の駐車場には、人の背丈ほどの高さになった30株が咲いた。今年4月、有志グループ「ウクライナひまわり支援の会・御殿場」の募金活動に協力した際に受け取った種などを育てた。
 侵攻開始から5カ月を超えた。井上さんは「この時期には復興の話になっていると思っていた」と戦争の長期化を嘆く。ロシアに対してはもちろん「戦争を終わらせる方向にできないか」と国際社会への不満も募る。
 同グループ代表の土屋共栄さん(78)の元には市内外から開花の知らせが届く。「皆さんが大切に育ててくれてうれしい」と土屋さん。「早く戦争が終わり、ヒマワリが平和のシンボルになれば」と期待を示す。
 井上さんはヒマワリの最盛期、毎朝花々が笑顔であいさつしているように見えた。「ウクライナのことを忘れてはいけない」と思いを新たにした。種を保管し、来年も植える考え。咲くころにはウクライナの人々も笑顔になっていると信じて。

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