3年ぶり「木原大念仏」鎮魂の踊り 袋井、初盆供養の伝統行事

 袋井市木原地区に伝わる初盆供養の伝統行事「木原大念仏」が14日夜、3年ぶりに同地区で行われた。地区内の長命寺では、保存会メンバー約30人が念仏踊りを奉納し、故人の霊を慰めた。

念仏踊りを披露する木原大念仏保存会のメンバー=袋井市木原の長命寺
念仏踊りを披露する木原大念仏保存会のメンバー=袋井市木原の長命寺

 メンバーは隊列を組んで太鼓や笛、双盤を鳴らしながら地区内を練り歩き、初盆を迎えた10軒の庭先で祭壇に向かって手を合わせた。最後に長命寺に到着すると、境内に並べられた10軒の位牌(いはい)の前で念仏踊りを披露。太鼓を携えた踊り手8人がほかのメンバーの念仏や笛の音などに合わせ、鎮魂の踊りをささげた。
 木原大念仏は市指定無形民俗文化財。1578(天正6)年に武田家家臣の笹田源吾が当時の木原村で討ち取られ、その霊を鎮めるために行われた供養祭が起源とされる。長命寺には笹田の供養塔が建っている。
 2020、21年はコロナ禍を受けて中止した。今回は感染防止対策として開催時間を短縮するため、本来は初盆の家ごとに披露する念仏踊りを長命寺で行う合同供養形式にした。
 (磐田支局・八木敬介)

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