記者コラム「清流」 科学界でも「金メダル」

 「世界一になれることを示せた」。探査機はやぶさ2の開発に携わった東京大大学院教授杉田精司さん=浜松市浜北区出身=に最近、電話した際に聞いた。小惑星探査に関するわが国の知見を米欧の各国が注目しているという。
 杉田さんがはやぶさ2の計画に加わったのは、東日本大震災で日本全体が疲弊していたころ。探査機の小惑星からの帰還は2020年、東京五輪の年の予定だった。杉田さんも明るい話題を届けようと意気込んだそうだ。コロナ禍で五輪は延期されたが、はやぶさ2は確かにカプセルと希望をこの星に届けてくれた。
 小惑星探査に関する特殊技術で各国に先んじた日本。杉田さんは「子どもたちに、科学の世界でも金メダルを取れるんだと夢を抱いてもらいたい」と語る。

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