記者コラム「清流」 平和 強く誓う夏

 御殿場市に赴任して驚いたことの一つが、東富士演習場から響く着弾音だ。雷のようなごう音がとどろき、住まいの窓枠が揺れる。赴任当初は有事ではないかと警戒し、関係機関に問い合わせしたこともあった。
 すっかり慣れていたが、ロシアのウクライナ侵攻を機に感じ方が変わった。音を聞くたびに、攻撃で破壊されるウクライナの街や人々の生活が頭をよぎり、悲しい気持ちになる。米国の有力者が台湾を訪れた後、頻繁に飛ぶヘリコプターも不気味に感じた。
 これまで以上に戦争が身近に感じられる夏。「平和は待っていても訪れない、努力してつかみとるものだ」。報道で伝わる先人の体験談はそう物語っている。一人一人の力は小さくても、平和を守り抜くため不断の努力を誓う。

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