肝がんの坂本君手術成功 寄付5400万円集まる 磐田の中2

 肝細胞がんを患い、母親らが治療のための寄付を呼び掛けていた磐田市立豊田南中2年の坂本パトリック龍輝君(13)が24日朝から25日未明にかけて、生体肝移植手術を京都市の京都大病院で受けた。約16時間に及んだ難手術は無事成功した。寄付金は目標の3千万円を上回る約5400万円が集まった。

手術を受けるため京都大病院に入院した坂本パトリック龍輝君=今月上旬、京都市(母のユカリさん提供)
手術を受けるため京都大病院に入院した坂本パトリック龍輝君=今月上旬、京都市(母のユカリさん提供)


 母の坂本レチーシア・ユカリさん(33)によると、龍輝君の肝臓を全て摘出し、叔父レオナルド・ススムさん(28)の肝臓の約3割を移植した。ユカリさんは「無事に移植ができるかどうか不安だったので、うれしすぎて言葉が出ない」と喜んだ。多くの善意が寄せられたことについて「寄付してくれた皆さんには感謝してもしきれない。龍輝が今後も元気に育つことが一番の恩返しになる」と話した。
 麻酔の影響で龍輝君が目を覚ますのは26日になる。術後2週間程度は、新しい肝臓が体になじむかどうか経過観察を行う。リハビリなどに取り組むため、退院には2~3カ月ほどかかる見込み。
 龍輝君はがんが肝臓の約7割に広がり、移植手術が必要だった。腫瘍の数などが保険適用の基準を超えていて、費用は自己負担になるため、ユカリさんや、同級生の保護者らでつくる「リュウキ君を救う会」などが寄付を募っていた。
 寄付金は治療費用以外にユカリさん家族の京都滞在費などにも活用し、余剰金は同様の活動を展開する団体に寄付する方針。
 

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