土石流教訓 消防職員ら救助手順を確認 熱海市総合防災訓練

 熱海市は28日、土砂災害などを想定した市総合防災訓練を市内で実施した。昨年7月に伊豆山地区で発生した大規模土石流の教訓を生かそうと、市職員や消防職員らが情報伝達や救助活動などの手順を確認した。

土砂災害を想定した救助活動の訓練に当たる消防隊員=熱海市泉
土砂災害を想定した救助活動の訓練に当たる消防隊員=熱海市泉

 同市泉の土木資材置き場では、大雨に伴う土砂崩れで人が土砂に埋まった事態を想定した救助訓練を初めて実施した。目撃情報を基に、市消防本部の特別救助隊員が現場を捜索した。発見すると、要救助者を傷つけないように手で土を掘り起こした。土砂の流入を防ぐために周りを板で囲み、要救助者を励ましながら救出した。
 昨年の土石流では、全国から駆けつけた消防、警察、自衛隊が大量の土砂の中で捜索、救助活動を行った。市消防本部は建物に取り残された住民の救助活動や後方支援に回っていたため、土砂の中での活動はなかった。植田宜孝消防長は「土石流を教訓にして、あらゆる事態に備えていきたい」と話した。
 同日は災害対策本部や救護所の運営、漂流者の救助訓練なども実施した。当初予定していたペット同行避難訓練や住民参加型の訓練は新型コロナウイルス感染が拡大しているため中止した。

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