環境に優しいブドウ園追求 沼津の栗田さん、試行錯誤の7年結実

 沼津市原の会社員栗田昌利さん(64)が9月3日、7年の歳月をかけたブドウ園「六香○」(ろっくこうえん)を地元にオープンし、自然栽培に近い種ありのブドウの販売を始める。栗田さんは「安全で環境に優しい果物を作り続けたい」と意気込む。

苦労して生産したブドウを紹介する栗田さん(左)=沼津市原
苦労して生産したブドウを紹介する栗田さん(左)=沼津市原
苦労して生産したブドウを紹介する栗田さん(左)=沼津市原

 販売するブドウはピオーネ(1キロ1800円)、ゴルビー(1キロ1900円)、シャインマスカット(1キロ2千円)の3種類。今年は約300平方メートルのビニールハウスに千房以上が実った。化学肥料は使わず、農薬の使用も最小限に抑えたという。
 主に枝を短く切って整える「短梢(たんしょう)栽培」と呼ばれる方法で育てた。栗田さんによると、酸味と甘みが際立ち、みずみずしさがあるという。
 元々農業とは無縁で知識もなかったが、57歳の時、「還暦以降も続けられる新しいことをやってみたい」と思い立った。自然農法に関する本を読み、農業をスタート。土地を確保し、ビニールハウスや換気扇を回すことを目的としたソーラーパネルを自作で設置した。
 開始から4年間は、梅雨にブドウを腐らせてしまうなど失敗の連続だったが、朝晩の温度管理や空気の循環の管理をはじめ地道な作業を重ね、ようやく軌道に乗ったという。
 今後の目標について栗田さんは「農園を来場者同士のコミュニケーションができる拠点としたい。沼津への地域貢献ができれば」と夢を語る。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞