震災時の自治体対応は 岩手の白土さん、経験基に講演 焼津

 焼津市は31日、東日本大震災発生時に岩手県山田町で危機管理室長を務めた白土靖行さんを講師に防災講演会を市役所で開いた。行方不明者の捜索といった大規模災害時の対応について、自身の体験に基づいて説明した。

東日本大震災発生時の様子を語る白土さん=焼津市役所
東日本大震災発生時の様子を語る白土さん=焼津市役所

 避難所へのルートを確保するため道路に埋め尽くされたがれきを取り除く作業について「遺体の有無を確認しながら行った」と振り返った。津波の力強さを物語るエピソードとして、防潮堤が壊れて陸側に流れてきたと紹介した。
 災害対応に当たる自治体職員は警察や消防とは違って「バックアップ要員はいない」と強調し、「ここまでしかできない」と自ら限界点を設定して取り組むべきと訴えた。
 避難所で暮らす住民から「余震が激しく圧迫感で不安につながる」として、パーティションのニーズがなかったと証言した。本県の職員を「災害対応が迅速で信頼できる」と指摘し、発生約2週間後に川勝平太知事が同町への支援を約束すると「助かったと感じた」と振り返った。
 (焼津支局・福田雄一)

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