焼津の団体 市の資料館に古地図寄贈 160年前の川や集落示す

 財団法人石津共栄会(焼津市石津港町)は事務所で保管していた古地図2枚を市歴史民俗資料館に寄贈した。同館によると、地図が作成された時期は地元の水天宮が記されていないことから、建立された文久2(1862)年以前とみられる。今はなき川や両岸に広がる集落といった約160年前の地元の姿が分かる貴重な史料に同会の原崎省司理事は「ふるさとの歴史の学びに使ってほしい」と語る。

寄贈した古地図を見る原崎理事(左)と鈴木係長=焼津市三ケ名の市歴史民俗資料館
寄贈した古地図を見る原崎理事(左)と鈴木係長=焼津市三ケ名の市歴史民俗資料館

 2枚のうち1枚の地図は縦77センチ、横54センチで石津地区全体が描かれている。川や田畑、道などが色分けされていて、寺院が目印として記されている。もう1枚は長さ112センチの横長で、海を上にして木屋川やその両岸に広がる集落が記されている。木屋川から「新堀川」と記された枝分かれの川が書かれている。同館の鈴木源係長は「材木をためるなどの利用をしていたのかも」と今はなき川に興味を示す。
 2枚の地図が保管されていた共栄会事務所は9月をめどに老朽化に伴い取り壊される。「もしかして貴重な史料かも」と思った原崎理事が価値を確認してもらおうと、同資料館に持ち込んだ。最初に目を通した鈴木係長は「地元の歴史がはっきりと分かる地図」と評価した。
 (焼津支局・福田雄一)

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