沼津の昔話 地元デザイナーら再編集 イラスト交え冊子に
沼津市内に伝わる昔話をまとめて48年前に刊行された「ぬまづ昔ばなし」を再編集した「絵物語ぬまづ昔ばなし」の第1巻が完成した。初巻は同市市場町の八幡神社に伝わる「天狗(てんぐ)のすもう」を題材に、親しみやすいイラストに一新した。
企画したのは市内のデザイナーらでつくるグループ「e―monogatari(えものがたり)」。コラムとともに冊子にまとめ、ホームページでも公開を始めた。
イベント企画などを手がける青木一代表と編集長を務めたデザイナーの渡辺純さんが、市内の教員有志が編さんした「ぬまづ昔ばなし」を現代の子どもに分かりやすい形で紹介しようと、図書館司書、地域住民にも呼びかけて制作した。
「天狗のすもう」は村人に相撲を挑もうと、悪さをする天狗を八幡神社の神様がたしなめる物語。同市のアーティスト、マツナガマサエさんが絵と文を手掛けた。第四小の児童が地域を探検した様子や、江戸時代に造られた現役の用水「内膳堀」も紹介している。
青木代表は「制作の過程で市民の郷土愛を感じた。地域に残る話を子どもたちに引き継いでいきたい」と話した。今後は企業の協賛金や市の補助金を活用し、続編として年4巻を発行する予定。
冊子はA4判22ページで1500部作製。市内の図書館や市立小中学校などに寄贈した。
(東部総局・尾藤旭)