タリバン政権実情は 浜松国際交流協会、アフガン退避の姉妹語る

 浜松国際交流協会などは4日、昨年8月末のアフガニスタン駐留米軍撤退後、イスラム主義組織タリバンの暫定政権が実効支配している同国の実情を伝えるオンラインセミナーを開いた。同国から日本に退避し、浜松市で日本語を学ぶサラさん(25)=仮名=と、東京で働く姉のセリヤさん(45)=同=姉妹が経緯などを紹介した。

アフガニスタンから退避した体験を語る姉妹ら=浜松市中区
アフガニスタンから退避した体験を語る姉妹ら=浜松市中区

 同国で教育支援などを進めるNGOの山本英里事務局長らによると、タリバン政権は日本や欧米への留学経験を持つ人や、外国とつながりのある人をスパイとして迫害しているという。日本の団体に所属するセリヤさんは昨年10月、身の危険を感じて首都カブールから日本へ退避した。サラさんはセリヤさんに呼ばれ、今年4月に浜松に来た。
 セリヤさんは「タリバン政権が復権する前のように、女性が自由に行動できるアフガニスタンに戻るまでは帰れない」と強調。サラさんは「自立するため、日本語を学ぶ必要がある。無償の教育機会を与えてほしい」と支援を求めた。
 山本事務局長と、移民研究を専門にする千葉大の小川玲子教授が講師を務め、同国の歴史や退避者支援の課題について解説した。

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