家康区、直虎区、うなぎ区、バイ区…ユニーク区名案続々 浜松市行政区再編、ホームページで公表検討

 浜松市が行政区再編に向けて仮称A区(中、東、南、西区と北区の一部)とB区(浜北区と北区の大部分)を対象に実施した区名案公募は、市民からそれぞれ1万1千件超の応募が寄せられた。市は「特定の地区を想起させない」「固有の名詞や呼称を含まない」など6条件をクリアした案の中から各5~10点を選定し、9月下旬から市民アンケートを実施する予定。集まった案の一覧は後日、選定の経緯を含めてホームページで公表する方向で検討している。

浜松市役所
浜松市役所

 今回は小学生以上の全市民に呼びかけた。応募者の年代別では40~60代が全体の52%を占めたほか、6~12歳も10%に上り、小学生の熱心さも際立った。
 ユニークな案として「家康区」(A区3位)と「直虎区」(B区4位)、「うなぎ区」(A区11位)と「みかん区」(B区11位)、「バイ区」(B区45位)といった市の名物が目立った。浜松の気風を示す「やらまいか区」(A区66位)を推す案もあった。

 ■記者の目 除外多数の経緯、説明を
 浜松市は5日の市議会特別委で、公募で集まった区名案の中から候補として5案ずつ選定した、と報告した。A区は「奏、灘、曳馬野、渚、青」。B区は「緑、みどり、万葉、橘、青葉」。これらに最大5案を加えて市民アンケートを行う見通しだ。ただ、A区では応募数の上位18案が市の選定条件を満たさないとして除外され、委員から「市民の声を尊重したと言えるのか」と疑問が上がった。
 背景に、地域間対立の回避を最重要として特別委の議論が進んできた経緯がある。区割り確定まで区役所の存続や行政機能の配置をめぐって市内各区域の住民が意見を主張し、綱渡りのような調整が行われてきた。区名選定にも、特別委で「一体感を生む名に」と注文がついていた。“特定の地域色”を防ぐ条件を課した結果、多くの案の除外に至った。
 取材の実感として配慮の重要性は重々理解できるが、これだけの除外を想像して案を考えた市民がどれだけいただろう、とも思ってしまう。事前の条件設定の議論や市民への告知は十分だったのか、説明がほしい。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞