海抜0から富士登頂 ジヤトコ(富士)社員、1年かけごみ拾い 3776メートル到達

 富士市の自動車用変速機メーカー「ジヤトコ」は4日、海抜0メートルから富士山頂までの道のりを清掃する「富士山クリーンルート3776 2nd」の最終日の活動として、社員35人が富士山富士宮口5合目から山頂まで、ごみを拾いながら登った。約1年かけた企画は全42キロの行程を踏破し、社員は山頂で達成感に浸った。

緑色のビブスを着てごみを拾いながら歩く社員たち=富士山の富士宮口9合目付近
緑色のビブスを着てごみを拾いながら歩く社員たち=富士山の富士宮口9合目付近


 富士市が設定する「富士山登山ルート3776」を5分割し、昨年10月、市内の鈴川海岸を起点に清掃を始めた。登山者が気持ちよく歩ける道にしようと、社員有志延べ約220人が参加してきた。
 最終日は緑色の社名入りビブスを着た社員が午前6時半ごろ、最後の4キロにあたる富士宮口5合目からの登山を開始した。足場を確認する際に視界に入ったごみを手にとり、腰に着けたポリ袋の中に回収した。
 山頂では登頂を喜びつつ、登山客の周囲に落ちているたばこの吸い殻や食品の包装を拾い集めた。全行程に臨んだ同社実験部の小城真琴さん(29)は「初めての富士登山で苦しかったけれど、参加して良かった」と、達成感をにじませた。
 同社はこれまで3度クリーンルートに挑戦し、2回目は台風の影響で登山を諦めた。踏破達成は2回目。プロジェクトリーダーの後藤雅博さん(61)は「富士山の景観は地元の私たちがきれいに守っていかなければならない」と話した。
 (富士支局・国本啓志郎)

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