静岡人インタビュー「この人」 湖西市の新たなイメージキャラクターをデザインした漫画家 稲空穂さん(湖西市)

 湖西市が市制施行50周年を機に今年制作したイメージキャラクターに、デザインが採用された。会社員を経て、2017年に漫画家としてデビュー。昨年から出版され、老夫婦らの何げない日常を描いた「特別じゃない日」(実業之日本社)が話題に。浜松市北区出身。36歳。

稲空穂さん
稲空穂さん

 -「浜名湖があるまち」をPRするキャラに込めた思いは。
 「モチーフは浜名湖特産のウナギ。突然変異で体が白黒になる希少な「パンダウナギ」や縁起の良い黄金色のウナギから着想を得た。みんなと仲良くなりたくて、着ぐるみをまといパンダのふりをしている。子どもにも親しんでもらえるよう、愛らしいキャラにしたかった」
 -湖西市はどんなまちか。
 「コンパクトで魅力的な『箱庭』のようなイメージ。日常に必要なスーパーや飲食店が近くにあり、自然もあって住みやすい。あまり人に知られていない店を開拓する楽しみも。もう15年暮らしているのでスーパーに行けば知り合いと顔を合わせるし、話をするのも心地いい」
 -漫画家になったきっかけは。
 「浜松工業高卒業後、湖西市内の企業で働きながら、趣味で漫画を描いていた。ツイッターに投稿したところバズり、海外からも反響があった。7年前に大手出版社から声が掛かり驚いたが、漫画家に挑戦してみたいと思い、『おとぎ話バトルロワイヤル』でデビューした」
 -作品で伝えたいことは。
 「『特別じゃない日』では事件は起きないし、どんでん返しもない。家族が元気でいること、現状を維持できることが一番の幸せだと思う。今以上に何かを求めるのではなく、誰にも身近にある幸せを意識してもらえるような作品を描いていきたい」

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