電車内不審者にどう対応 岳鉄と富士署が訓練、課題洗い出し

 富士市の岳南電車(通称・岳鉄)と富士署は6日、緊急事態対応訓練を岳南江尾駅で実施した。走行中の車内で刃物を持った男が暴れた想定で、乗客の安全確保から男を制圧するまでの流れを確認し、課題を洗い出した。

犯人役の男に対処する乗務員(右)=富士市の岳南江尾駅
犯人役の男に対処する乗務員(右)=富士市の岳南江尾駅

 訓練は駅に停車した2両編成の車内で実施した。先頭車両で運転中の乗務員は、後部車両で暴れる男がいると乗客から聞き、緊急停止した。乗客を前の扉から降りるよう誘導しながら無線で岳鉄の運転指令に状況を報告した。男に捕らえられた乗客を車内の資機材を使って引き離し、駆けつけた署員が男を取り押さえた。
 高齢者や負傷者を安全に降車させる方法や、加害者との距離をとって時間を稼ぐ手段の確保などが課題に挙がった。
 同署の梅津崇彦警備課長は「ワンマン運行のため初動には限界がある。乗客の安全を最優先に、社内の指揮系統の確立や乗務員の判断力の向上が必要」と話した。

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