記者コラム「清流」 絶句した

 絶句した。子どもの命を預かり、健全育成に携わるこども園の職員がなぜこんなにも子どもに対して無関心なのか。ほかの保育施設はそうでないことを願ってやまない。
 牧之原市のこども園で女児が通園バスに取り残されて亡くなった。書き記すのもはばかられるほど胸を締め付けられる状況だった。園の記者会見の内容を見て、悲しみよりも怒りに近い感情が湧いた。
 バスの降車、車内、出欠の確認作業と保護者への連絡を怠ったという。「園児が1人いない」-。職員にとっては日常で当たり前だったのか。作業の一つでも行っていればバスに取り残されている女児を早期発見できたはずだ。
 教職員の多忙は長年指摘されているが、今回は違う。最優先されるべき業務をおろそかにしたとしかいえない。
 (大仁支局・小沢佑太郎)

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