南海トラフ巨大地震と富士山噴火、関係性は… 富士宮でセミナー、火山学者「備え重要」

 火山学者の鎌田浩毅京都大名誉教授を招いた「富士宮市防災セミナー 今、静岡で考えるべき備えとは」(同市主催、国土交通省静岡国道事務所共催)がこのほど、同市民文化会館で開かれた。鎌田名誉教授は「南海トラフ巨大地震が富士山噴火を誘発する」と二つの災害の関連性を訴えた。

南海トラフ巨大地震と富士山噴火の関係について解説する京都大の鎌田名誉教授=富士宮市民文化会館
南海トラフ巨大地震と富士山噴火の関係について解説する京都大の鎌田名誉教授=富士宮市民文化会館

 鎌田名誉教授は南海トラフ巨大地震について過去のデータを基に「2035年+-5年で起きる」と説明し、死者32万人、被害額220兆円、国内人口の6千万人が被災するなどの想定を紹介した。11年の東日本大震災が「活火山のマグマだまりをゆらした」とし、富士山を含む20の活火山が「噴火スタンバイ状態になった」と指摘した。一方で「今から準備すれば死者は8割、経済被害は6割減らすことができる」と一人一人の備えの重要性を語った。
 セミナーでは県危機対策課の藤本啓一危機調整官が南海トラフ地震における県広域受援計画を紹介し、静岡国道事務所の浅井聡副所長は防災道の駅に選定されている道の駅「朝霧高原」の防災機能強化の進捗(しんちょく)状況を報告。同道の駅の吉里正臣支配人が防災・減災の取り組みや展望を語った。

 

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