通園バス置き去り防げ ブザーや手旗検証も 磐田市が6園調査

 牧之原市のこども園で園児が送迎バス内に置き去りにされて死亡した事件を受け、磐田市は20日、通園バスを運用している市内の公私立幼稚園、こども園6園の現地調査を実施した。市立福田こども園では、園児が万が一、車内に取り残された場合に使用するブザーや手旗の導入に向けた実地検証も行った。

通園バス車内に取り残されたことを知らせる手旗の効果を実証する草地市長=磐田市立福田こども園
通園バス車内に取り残されたことを知らせる手旗の効果を実証する草地市長=磐田市立福田こども園

 市幼稚園保育園課の職員が、バスでの送迎時に園児の出欠や乗降を確認する手順、運転手による安全確認の方法などを調査した。福田こども園では、保育教諭がバスに乗り、園児の乗降時に名簿にチェックを入れているほか、運転手が園児の降車後に後部座席まで行って確認しているという。
 園児の置き去り防止のため、すぐに導入できる対策として、無線式の遠隔ブザーや防犯ブザー、手旗の効果を窓を閉め切った車内から検証した。草地博昭市長も立ち会った。同課は「一定の効果はあった」とした半面、無線式ブザーは障害物があると聞こえにくくなるなど、課題もあるため、バスの駐車環境に合わせた対策を検討していく。早ければ今月中にもブザーなどを配備するという。
 草地市長は「絶対に起こしてはいけない事故。人為的ミスはあるものだとの前提で二重三重の対策を講じたい」と強調。車内が見えにくくなるとの指摘がある窓ガラスのラッピングについては「不安の声が挙がればしっかりと対応したい」と述べた。

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