4年ぶり「野外フェス」 聖地での音楽祭へ一丸 朝霧JAMS’代表/堀内潤氏【本音インタビュー】

 富士宮市を会場とする野外音楽フェスティバル「朝霧JAM(ジャム)」が10月、4年ぶりに開催される。1万人規模のイベントを支えるボランティアグループのリーダーに現在の心境、地方フェスの役割や課題について聞いた。

堀内潤氏
堀内潤氏


 -2001年から毎秋開催が定着していたフェスが19年は台風、20、21年は新型コロナウイルス禍で中止となった。どんな思いだったか。
 「秋開催が当然のように感じていたので、ここ3年は残念な10月だった。朝霧JAMS’(ジャムズ)は地元のコアメンバー約30人に加え、開催期間に全国から集まる約150人で構成されている。メンバーの士気を維持するために、電話やメール、LINE(ライン)を使って個別に連絡を取った。『今は我慢しよう。来年頑張ろう』と声をかけて回った」
 -開催期間中の朝霧ジャムズの業務は。
 「会場内のお客さんの動線を確保するための交通整理、ごみの分別収集の仕切り、来場する子どもたちのためのスペースの運営、物販コーナーの営業など。みんなが自発的に、かつ楽しく仕事をしているのが誇らしい。全国から集まるメンバーはリピーターも多い。このフェスならではの親密な雰囲気に引かれているようだ」
 -4年ぶり開催への期待感や課題は。
 「リモート会議アプリでグループの打ち合わせを繰り返し、今年1月に富士宮市で開かれたプレイベントも活用して意思疎通を図った。『ようやく開催できる』といううれしさが強まっている。資料を参照しながら当日の動きを確認しているが、ブランクがあるため忘れてしまっているところもある。精度を高めたい」
 -地元で大規模な音楽フェスが開催される意義は。
 「富士宮市の『朝霧』というエリアが全国のフェス愛好家の“聖地”になったことだ。お客さんの7割弱が首都圏から来ているが、彼らは朝霧地区の文化や特産品を熟知してくれている。今後は朝霧の知名度の高さを富士宮市全体に広げる必要がある。近年は市もシティープロモーションの機会として重視しているようだ。1万人規模のお客さんを市内の宿泊施設や飲食店に導く仕掛けを期待したい」
 (聞き手=文化生活部・橋爪充)

 ほりうち・じゅん 富士宮市出身。2003年に朝霧ジャム初参加。04年、朝霧ジャムズに加わり、ボランティア活動に従事する。19年に同団体の代表就任。同市内でリネンサプライ業を営む。55歳。

 

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