アート思考 中高生、自分と向き合う 長泉・ヴァンジ美術館
三島青年会議所は23日、探究的な見方や考え方を育むワークショップ「アートが教えてくれる『自分らしい答え』の見つけ方」(静岡新聞社・静岡放送後援)を長泉町のヴァンジ彫刻庭園美術館で開いた。地元の中高生43人が作品を鑑賞したり工作したりして、自分自身と向き合いアート思考を体験した。
「13歳からのアート思考」の著者末永幸歩さん(35)が講師を務めた。末永さんはアート思考を、自分なりの見方で世界を見つめ、自分だけの答えを作ることで新たな問いを生みだすことだと紹介。アンリ・マティスの作品も例に出して解説した。
生徒らは美術館の中から1作品を選び、1時間かけて鑑賞。作品について意識的に否定してみたり、参加者同士で対話したりした。鑑賞で感じたことをさらに、廃材を使った工作をすることで考えを深めた。
鑑賞した作品が、人間と自然の共存を訴えていると考えた韮山高2年の吉田有希さん(17)は工作で葉のモチーフを作った。「一つの作品を深く鑑賞することはないので貴重な経験。(作者の)背景を想像して答えのようなものが分かってすっきりした」と語った。
その後、生徒たちは互いの作品を鑑賞しあった。末永さんは「自分の答えを追究することは、答えを疑い続けること」と伝えた。
(東部総局・山本萌絵佳)