森町の県道崩落、生活に支障 台風15号被害 復旧見通し立たず

 台風15号の接近に伴う豪雨で森町問詰の県道袋井春野線が崩落した影響により、現場以北の住民の交通に支障が出ている。同線は山間地域と市街地をつなぐ交通の要衝。周辺住民は早期の復旧を望むが、見通しは立っていないのが現状だ。

交互通行により迂回路前で渋滞している通行車=森町(写真の一部を加工しています)
交互通行により迂回路前で渋滞している通行車=森町(写真の一部を加工しています)

 町の中心部や町外への通勤、通学などで同線を日々利用しているのは約千人。崩落後は山道を迂回(うかい)路として使っているが、すれ違いが困難で、脱輪などの事故も相次いだ。県が交互通行の措置を取っているが、通勤時間帯などには渋滞が生じている。
 影響は学校教育にも及んでいる。森小、森中に通う子どもたちは、崩落で秋葉バスが区間運休になり公共交通機関による通学手段を失った。当面は保護者の送迎か、配布しているタブレット端末での家庭学習で対応するという。
 県は復旧作業を進め29日を目途に片側通行を再開する予定だが、全面復旧には時間がかかるという。三倉町内会の渡辺裕恭会長は「高齢者の多い地域で、迂回路に慣れてないため病院や買い物に行けなくなっている住民も多い。長丁場になると心配」と懸念する。
 (袋井支局・仲瀬駿介)

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