独立200年記念音楽イベント 日伯の市民交流を促進 在浜松ブラジル総領事/ガルシア・アウデーモ氏【本音インタビュー】

 全国都市で最も多い約1万人の在日ブラジル人が暮らす浜松市。在浜松ブラジル総領事館は9月3、4の両日、ブラジル独立200年を記念した音楽イベント「ブラジルデー浜松」を浜松駅前で開いた。イベントの手応えや、日本人との交流促進に向けた意気込みを聞いた。

ガルシア・アウデーモ氏
ガルシア・アウデーモ氏

 -ブラジルデーを企画した経緯は。
 「音楽の街でもある浜松で、ブラジルの文化に親しんでほしいと思い、1年前から準備した。ブラジルはサッカーが有名だが、サンバやボサノバ、ロック、ポップスも人気。16時間にわたって約40組アーティストが出演し、約2万5千人が来場した。大成功だった。エコ・ステーションというごみ回収場を設置したところ、終了後にごみはほとんど落ちていなかった。持続可能なイベントになった」
 -独立200年の節目に、感じることは。
 「9月7日は記念すべき日だ。2050年には日本を抜いて世界5位の経済大国になるとも言われている。今や、世界を代表する国の一つ。着任して1年半ほどたつが、街を歩いていると、商業施設や道路、公園でブラジル人をよく見かける。街中にブラジルがあふれている。『音楽の街』という点も、つながりを感じる。市内の音楽イベントにブラジル人アーティストが出演できれば、街をもっと盛り上げることができる」
 -今後の展開をどう考えているのか。
 「浜松は多文化共生の街。ブラジルの文化を日本人に知ってもらうため、引き続きさまざまなイベントを開きたい。ブラジルデーは来年以降も継続しインドネシアやベトナムなどのアーティストも呼んで、さらに多文化が集まる場にしたい」
 -総領事館は8月、キャラクター「ジュジュバ」を発表した。
 「ブラジルの森林に生息している絶滅危惧種の鳥『アララアズール』をモデルに、菊川市に住むヒラモト・メリッサ・マキさんという少女が考案、命名した。日本ではサッカーや野球のチームなど、さまざまな団体でキャラクターが使われている。総領事館やブラジル人コミュニティーにも、代表となるような存在が必要と考えた。浜松市内外で親しんでもらえたら。ジュジュバの着ぐるみを制作中で、11月のサッカー・ワールドカップカタール大会開幕までの完成を目指している」

 ガルシア・アウデーモ 4代目総領事として着任した。ブラジル外務省リオ・ブランコ外交官養成学院を修了後、大統領府安全保障局の大臣特別補佐官などを歴任した。同国北東部に位置するリオ・グランデ・ド・ノルテ州ナタウ市出身。63歳。

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