記者コラム「清流」 「備え」の見直し

 浜松市中区の富塚協働センター主催の防災合宿を取材した。災害時、大人1人あたりに必要とされる水3リットルや、アルファ米などの非常食を持ち寄って公園で調理し、協働センターに宿泊するという避難訓練。家族連れがキャンプのように楽しみながら、備蓄や防災について学んだ。
 参加者から「防災グッズを棚の奥にしまっていて、取り出しにくかった」と聞いた。協働センターの担当者に合宿の手応えを尋ねると「水は3リットルでは足りない」と振り返った。食事以外にも、手洗いなどの生活用水の確保が必要だという。
 台風15号で避難や復旧の難しさが改めて浮かび上がった。ネットで調べるだけでは見えないことも多い。訓練を踏まえた備えの見直しの大切さを実感した。
 (浜松総局・日比野都麦)

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