記者コラム「清流」 不登校対応って…

 「学校に戻ることを目標にしない」。施行から5年が経過した教育機会確保法を理解している人はどれほどいるだろうか。取材をすると、学校現場でさえ浸透していない現状が見えた。
 一方で環境が整っていない現実もある。同法は多様な教育の機会を提供する必要性を示すが、実際に学校以外の場を探すのは容易ではない。地方ならなおさらのこと。法律と現状との乖離(かいり)は大きい。
 不登校には教員や友人との関係、障害、貧困、虐待などさまざまな背景がある。学校だけに全てを背負わせるには無理がある。焼津市では家庭・子ども支援課「あゆみ」が学校から直接SOSを受けて支援に当たっている。教員の多忙化も叫ばれて久しい。役割分担が必要だ。
 (社会部・佐野由香利)

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