流鏑馬 地域繁栄を祈願 湖西・二宮神社 

 新型コロナウイルスの影響で近年自粛が続いていた湖西市内の秋祭りが10月に入り、各地で営まれている。同市新居町の二宮神社では9日、例大祭が行われ、市指定無形民俗文化財の流鏑馬(やぶさめ)神事を通じて住民が地域の繁栄や無病息災を祈った。

馬上から的を狙って矢を放つ小笠原さん=湖西市新居町の二宮神社前
馬上から的を狙って矢を放つ小笠原さん=湖西市新居町の二宮神社前

 同神社では今年、地元の男性有志3人のうち、くじで選ばれた新居高3年小笠原心作さん(18)が流鏑馬に挑む「馬乗り様」を務めた。風習にのっとり、小笠原さんはすぐそばの浜名湖に裸で入って体を清めた後、馬に乗った。鳥居の辺りで準備を整え、勢いよく参道を疾走。的に向けて矢を放ち「パンッ」と命中した音が響くと、沿道で見守る住民から歓声と拍手が湧き起こった。
 小笠原さんは12発のうち9発を的中。「不安だったけど、3発目に当たって緊張がほぐれた。みんなに喜んでもらえてよかった」と頬を緩めた。
 同神社によると、この流鏑馬は1570(元亀元)年の「姉川の戦い」で勲功を立てた村人が、馬と弓を奉納したことが起源とされる。市内の流鏑馬神事は女河八幡宮が県指定、古見八幡神社、熱田一宮神社、八幡諏訪神社も市指定の無形民俗文化財となっている。

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