記者コラム「清流」 「番付」という生き物

 「番付は生き物」とは大相撲の有名な格言。力士同士の昇進・降格や成績が相対的に作用する番付は、時に驚きの編成になることがある。現在はコロナ禍による休場も相まって、焼津市出身の翠富士は一気に10枚も上がった西前頭筆頭で秋場所を迎えた。
 相手が大関ら三役ばかりになるため、兄弟子の勝敗予想は「3勝12敗」だったという。だが、結果は7勝8敗。強敵との取組が潜在能力を引き出したのかもしれない。
 同場所で東十両3枚目の熱海富士(熱海市出身)は8勝7敗と勝ち越した。確実とまでは言えないが、新入幕となれば16年ぶりに複数の県勢力士が同時に幕内に在位することになる。運、不運の要素も多分に含む番付が来場所はどんなドラマを生み出すか。注目の発表は31日だ。
 (運動部・山本一真)

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