誰もが劇作家 SPAC講座 静岡県内3会場で初開催

 静岡県舞台芸術センター(SPAC)が、一般向けの「書く!戯曲講座」(全5回)を県内3会場でそれぞれ開いている。戯曲を自分で書き、劇作を実践的に学んでもらう狙いで、本年度初めて企画。講師の劇作家山田裕幸さん(51)=藤枝市=は「劇作家が担うのは基礎工事。演劇自体に興味を持ってもらえれば」と話す。

講師の山田さん(左)の助言を聞く受講者。戯曲作りを通じて演劇を学ぶ=袋井市のメロープラザ
講師の山田さん(左)の助言を聞く受講者。戯曲作りを通じて演劇を学ぶ=袋井市のメロープラザ

 10月上旬、袋井市のメロープラザでの第3回講座。受講者13人が提出した課題の戯曲を順番に壁に映写し、互いの作品を読んだ。山田さんが「話を前に進める力がある」「なぜこの題材なのかが作家にないといけない」などと講評した。
 課題は上演時間20分程度の劇で、内容は自由。居酒屋での同窓会のシーンを描いた磐田市の会社員横山記央さん(49)は「『何を伝えたいか』を見つけるのが大変。舞台で演じることを前提に考えなくては」と、書き直しを決めた。
 長女の綾乃(りお)さん(14)は「せりふ以外で説明できる小説とは違う。よく見るミュージカルも、書いている人はすごいと改めて思った」と話した。
 10~70代の受講者は演劇関係者に限らず、全くの初心者もいる。秀作はSPAC俳優が演じるリーディング劇になるとあって、真剣に創作と向き合っている。
 「書く行為そのものが世の中の問題を考えることになる。書きたい思いを継続してほしい」と山田さん。講座はほかに三島市と藤枝市でも開講中で、会場ごとに秀作を選ぶ。
 

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