スポーツ分析アプリ 教育現場で拡販へ 頭や腰の速度、自動でグラフに 浜松のスプライザ

 スポーツ分析アプリの開発を手掛けるスプライザ(浜松市中区)は学校授業への利用拡大を図る。9月から、スマートフォンで撮影するだけで、手軽に体の動きを分析できる新アプリのベータ版(試用版)の提供を始めた。2023年3月をめどに本格製品化し、24年度までに100校への導入を目指す。

新開発した動作分析アプリを解説する土井寛之社長=浜松市中区のスプライザ
新開発した動作分析アプリを解説する土井寛之社長=浜松市中区のスプライザ

 新アプリは「SPLYZA Motion(スプライザ モーション)」。幅跳びやマット運動などに取り組む利用者の動画を取り込むと、人工知能(AI)が頭や腰、手、つま先など各部位を自動で認識して分析する。
 人体の各部位の速度や加速度、角度などをグラフにして表示する。例えば、幅跳びでは、踏み切って飛び出す際の角度や速度、加速度を見て、力を入れたタイミングなどを探ることができる。野球のバットやテニスのラケット、ゴルフクラブの動きにも対応した。
 11年設立の同社の主力商品はチームスポーツ向けのゲーム分析アプリで、サッカーやバスケットボールの部活動など約800団体が利用する。利用者から「中高生でも手軽にスポーツサイエンスに取り組みたい」と要望を受け、約2年前から新アプリ開発を進めた。体育の授業で実証実験に協力した大阪府の高校では、生徒自らによる課題把握や意欲向上につながったという。
 既に県内大学を含む10団体から申し込みがあった。リハビリ利用を目的に理学療法士などからも問い合わせを受け付ける。同社の土井寛之社長(46)は「新アプリは体育を通じた論理的思考力の養成につなげられる。教育ツールとして普及させたい」と強調する。

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