記者コラム「清流」 防災訓練「参加」に主眼を

 静岡県内に大きな被害をもたらした台風15号―。9月には、「防災の日」に合わせ3年ぶりに総合防災訓練が各地で行われたが、沼津市の自治会の担当者によると、この2年の新型コロナウイルス感染拡大の影響で住民の参加意識が著しく落ち込んでいるという。
 同市金岡地区の訓練を取材した。駿東伊豆消防本部沼津北署員が倒壊家屋から逃げ遅れた人を救出する訓練や、水難事故を想定してドローンを使った浮輪投下訓練など、イベント色が強いものだった。取材そっちのけで見入ってしまう内容だった。
 無味乾燥な避難訓練では意味がない。「with(ウィズ)コロナ」になり、改めて防災意識の醸成が急務だろう。まずは「参加」に主眼を置き、「危機感の風化防止」に取り組むべきだ。
 (東部総局・小西龍也)

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