御殿場 高齢者移動支援広がる 生活の足、交流の場にも

 住民がボランティアで高齢者をスーパーなどに送迎する「移動支援」を始める地域が御殿場市で相次いでいる。自家用車を持たない人の生活の足となり、利用者同士の交流の場にもなっている。

北久原区の移動支援サービスを利用する女性ら=御殿場市
北久原区の移動支援サービスを利用する女性ら=御殿場市

 北久原区は2020年9月、移動手段がなく不便という住民の声をきっかけに買い物の送迎を始めた。週1回、利用者宅とスーパーを往復し、要望があれば病院や金融機関にも赴く。立ち上げを主導し、現在は運転手を務める大窪民主さん(75)は「支え合って豊かな生活を送れる地域になれば」と話す。
 70~90代の12人が利用する。80代女性は「宅配サービスも使うが、店に行くと品物を見て選べるのがうれしい。車の中のおしゃべりも楽しい」と喜びを語る。
 市社会福祉協議会によると、20年6月の中畑北区を皮切りに5地域で移動支援サービスが始まった。いずれも自治会単位で、3カ所は買い物、2カ所は高齢者向け行事の送迎。市内の社会福祉法人が地域貢献の一環で車両を無償貸与し、ガソリン代を負担している。
 高齢化や免許返納が進みニーズは高まっている。移動支援サービス創出を重点目標に掲げる市社協は引き続き、実施を検討する団体と社会福祉法人などとの仲介を担いサービス開始を後押しするという。

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