県道磐田天竜線 4週間ぶり開通 台風15号で土砂崩れ被害

 台風15号による豪雨で大規模な土砂崩れが発生し、通行止めが続いていた磐田市神増、平松の県道磐田天竜線が21日、4週間ぶりに開通した。周辺では、土砂で損壊した建物が残されるなど、復旧作業がいまだに続く。「ようやく復旧が一歩進んだ」。住民らは通行止めの解除に安堵(あんど)しつつ、行政に今後の土砂災害対策を求めた。

通行止めが解除された県道磐田天竜線。道路脇には大型土のうが積まれている=磐田市神増(写真の一部を加工しています)
通行止めが解除された県道磐田天竜線。道路脇には大型土のうが積まれている=磐田市神増(写真の一部を加工しています)

 県道沿いでは9月23日深夜から24日未明にかけて、複数箇所で土砂崩れが発生し、神増地区では350メートル、平松地区では500メートルにわたって通行止めになった。県は土砂の撤去を進めるとともに、道路脇に二次災害を防ぐ応急措置として大型土のうを設置する工事を進めてきた。
 同県道は1日約1万2千台が行き交う幹線道路。通行止め区間のすぐ近くで営業する持ち帰りギョーザ専門店の店主(60)は「県道が開通すれば、お客さんに安心して来店してもらえる。地域に活気が戻れば」と期待した。
 神増の県道沿いに住む村松修さん(82)は、自宅の離れが損壊するなどの被害を受けた。災害ボランティアらの助けで敷地内の土砂は除去したが、まだ離れの解体作業が残っている。「復旧はまだまだこれから。行政には再び土砂崩れを起こさないよう恒久的な対策を講じてほしい」と訴えた。
 県による規制解除に立ち会った草地博昭市長は「開通に約1カ月かかったが、ほっとしている。まだ日常に戻れない市民がいる。その声に寄り添った対応をしていきたい」と述べた。

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