福島の子ども支え10年 ミカンお礼の色紙、活力に 伊豆の国「YAMANEKO楽舎」

 東日本大震災で被災した福島県の子どもたちを支援する伊豆の国市のボランティア団体「YAMANEKO楽舎(やまねこがくしゃ)」の活動が今年で10年目を迎えた。市川幸子代表は原発事故の影響で避難生活を余儀なくされた住民を思いやり「課題は山積み。福島のことを忘れないでほしい」と願う。

福島県の子どもたちから届いた色紙を読むメンバー=伊豆の国市
福島県の子どもたちから届いた色紙を読むメンバー=伊豆の国市

 同団体は2013年から、同県会津若松市に避難した同県大熊町の子どもたちの支援を始め、行事に合わせて現地を訪れて親睦を深めた。新型コロナ禍で訪問できなくなってからは静岡の特産品を贈る取り組みに注力し、活動費は福島県産品の販売収益を充てている。
 震災発生後1カ月で会津若松市内に開校した大熊町の幼稚園、小学校、中学校に通っていた子どもたちは当時400人以上いたが、保護者の転居などによって激減し、現在は10人。本年度から義務教育学校「学び舎(や)ゆめの森」となり、来年度からは大熊町の避難指示の一部解除に伴って町内に新設される校舎に移る。
 会津若松市内で行う最後の運動会に合わせ、同団体は伊豆産のミカン10キロを贈った。子どもたちからお礼の色紙などが届いたため、22日にメンバーが伊豆の国市内に集まって読み、思いを受け取った。市川代表は「子どもたちは友達がどんどん転校してさみしい思いをしているが、いつも元気をくれる。こちらがお礼を言いたい」と感謝した。

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