記者コラム「清流」 慌てず急いで正確に

 静岡県中西部に甚大な被害をもたらした台風15号。富士市は静岡市清水区住民を対象に入浴施設の開放や飲料水の提供などの支援を行った。
 市役所には「お隣さんを助けたい」との市民の声が寄せられ、静岡市から要請がなくとも何かしようと奔走した富士市職員には頭が下がる。
 一方で、被災した事業者が商品製造に使う水を市が誤って無償で提供し、後から代金を請求する不手際が発生した。本来は通常の経済活動に対し有償とすべきだが、職員がボランティアに使うものと勘違いしたという。市長が定例会見で謝罪するに至った。
 刻一刻と状況が変化する災害対応で、仕事に前のめりになり過ぎると余計な問題を呼ぶ危険が高まると痛感した。「慌てず急いで正確に」。苦い経験が教訓になると願う。

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