静岡、山梨、長野 黒曜石を通じ絆 静岡で講演会

 静岡県はこのほど、静岡、山梨、長野の交流のルーツを探る「山の洲(くに)文化財交流展」に合わせた講演会を静岡市駿河区の県立美術館で開いた。長野県の「星くずの里たかやま黒曜石体験ミュージアム」学芸員の大竹幸恵さんが、旧石器時代から縄文時代にかけての黒曜石を通じた3県のつながりを解説した。

黒曜石の流通について解説する大竹さん=静岡市駿河区の県立美術館
黒曜石の流通について解説する大竹さん=静岡市駿河区の県立美術館

 黒曜石は当時の狩猟具などの材料として使われていた。大竹さんは、本州最大規模の原産地だった長野の黒曜石が静岡で手に入りにくくなった時期、静岡の人は箱根や天城山、海から陸揚げした神津島の黒曜石で補っていたことを紹介。「当時の人々は生活の知恵として、生産量の少ない身近な資源を長年にわたって利用し続けていた」と説明した。
 3県の研究者によるパネル討論も行われた。大竹さん、身延山大(山梨県)非常勤講師の保坂康夫さん、静岡県埋蔵文化財センターの富樫孝志さんが登壇し、黒曜石の流通について語り合った。

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