リニアでぎくしゃく 静岡、山梨、神奈川の3知事 融和ムード演出

 静岡市清水区で26日に開かれた関東地方知事会議は、川勝平太知事のリニア中央新幹線工事を巡る発言に苦言を呈している山梨、神奈川両県知事も参加し、川勝知事とどのようなやりとりが行われるか注目が集まった。山梨県の長崎幸太郎知事は川勝知事と休憩時間に会話し、「すれ違いは解消した」と融和を強調した。神奈川県の黒岩祐治知事は「(もともと)何のわだかまりもない」と淡々と語った。

会議後に報道陣の質問に応じる(左から)長崎幸太郎山梨県知事と黒岩祐治神奈川県知事=26日午後、静岡市清水区
会議後に報道陣の質問に応じる(左から)長崎幸太郎山梨県知事と黒岩祐治神奈川県知事=26日午後、静岡市清水区

 長崎知事は、静岡県がリニア南アルプストンネル山梨県内工事の停止に関する協議をJR東海に求めていることについて「一言も連絡がない」と地元山梨での記者会見で不快感を示していた。この日、川勝知事が会議開始直前に控室に来たとし、「静岡県の水問題に対する姿勢はもともと理解している。(川勝)知事と会話し、あつれきは解消した」と述べた。
 ただ、山梨県内の工事を停止することに関して川勝知事から具体的な言及はなかったとし、今後、静岡県側から改めての説明が必要との認識を示した。
 黒岩知事は会議後の取材で、川勝知事から「神奈川県が悪いと言っている訳ではない」と伝えられたと明かした。川勝知事は、リニア品川―名古屋間の2027年開業が困難な理由は関東車両基地(相模原市)の用地取得が遅れている神奈川県が原因と指摘していたが、黒岩知事は「川勝知事とは昔から信頼関係がある」と問題視しない考えを示した。その上で、同基地の用地取得は「民家部分で8割が合意し、順調だ」との認識を改めて示した。
 川勝知事は長崎知事との関係性について「お互いの信頼は盤石」とし、黒岩知事に関しては「元ジャーナリスト。冷静な受け止め方をしている」と印象を述べた。

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