犬と同行避難を訓練 静岡の専門学校 ペット防災の人材育成

 近年風水害が相次ぎ、南海トラフ巨大地震の発生が予想される中、静岡市清水区の中央動物総合専門学校がペットの防災知識を持つ人材の育成に力を入れている。今後動物に関わる職種に就く学生が、ペット防災の意識を社会に浸透させる役割を担うことを期待する。

訓練で避難所のペット受け付けや飼育スペースの設営などに当たる学生=静岡市清水区のJR清水駅東口広場
訓練で避難所のペット受け付けや飼育スペースの設営などに当たる学生=静岡市清水区のJR清水駅東口広場

 27日、大規模災害が発生したとの想定で、2年生約100人が小型犬や中型犬計12匹との同行避難や避難所で飼育スペースを運営する訓練に臨んだ。大半が静岡市認定の「ペット防災アドバイザー」の資格を持った学生で、これまでの学びを実践した。
 JR清水駅東口広場をペットの受け入れが認められた小学校校庭の避難所と見立て、同校から約500メートル離れた同広場まで、犬を箱状のかばん「クレート」に入れたりリードにつないだりして避難した。到着した後は、一般避難者との動線を分けることができ、雨風しのぎも期待できる遊具などの場所をペットスペースに決め、段ボールや遮光ネットなどを使って簡易的なハウスやトイレを作った。
 参加者はいつもと異なる環境にいる犬の様子を確認しながら作業を進め、石原菜々子さん(19)は「人が大勢いる場所では(犬が)落ち着かず難しさを感じた。しつけを含めた日頃の備えの大切さを周囲に伝えていきたい」と話した。
 授業講師の沖紀代さんは「座学で伝えたことが応用できない部分があり、訓練の大事さを実感した。将来、職場や地域で指導的な立場になることを期待している」と願った。
 (社会部・佐野由香利)

 

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