狩猟中の事故、後絶たず 関係機関、講習会開き注意喚起 背景に担い手の減少、高齢化

 農村地域で鳥獣被害が深刻化し、駆除する猟師の負担が増す中、猟銃所持者の高齢化や減少に伴い、狩猟中の事故が後を絶たない。県内の関係機関は11月からの猟期を前に、狩猟の技術向上と知識の再確認を急いでいる。

立ち撃ち、膝撃ちを行った射撃講習会=富士宮市猪之頭の西富士ライフル射撃場
立ち撃ち、膝撃ちを行った射撃講習会=富士宮市猪之頭の西富士ライフル射撃場
射撃講習会で安全管理を促す座学=富士宮市猪之頭の西富士ライフル射撃場
射撃講習会で安全管理を促す座学=富士宮市猪之頭の西富士ライフル射撃場
立ち撃ち、膝撃ちを行った射撃講習会=富士宮市猪之頭の西富士ライフル射撃場
射撃講習会で安全管理を促す座学=富士宮市猪之頭の西富士ライフル射撃場

 沼津市は今夏、銃の適切な使用法を学ぶ射撃講習会を西富士ライフル射撃場(富士宮市猪之頭)で初めて開いた。参加したのは駿東猟友会沼津支部の会員約60人。座学では高度な安全管理が求められる猟銃の扱い方をメモに取り、改めて認識を深めた。立ち撃ち10発・膝撃ち10発の射撃研修では1発ごとに技術を確認した。
 講師を務めた同射撃場の野田敦射撃指導員は「銃の点検を怠り発生した事故など、思わぬ落とし穴もある。無事故のために十分な銃操作の知識が必要」と呼びかけた。
 環境省によると、2014年から18年までの5年間における県内の狩猟中の猟銃事故は計28件で、全国で5番目に多い。有害獣と誤認された男性が撃たれて死亡したり、アパートのガラスを破損させたりする事故のほか、銃を紛失しても警察に届け出ないケースもあったという。担当者は「行政や警察と協力して少しでも減らしたい」と強調する。
 県くらし・環境部では、3年に一度の狩猟免許更新時に注意喚起する。ハンターがイノシシに襲われるケースも発生していて「体力の衰えや錯覚などの影響も考えられる。注意してほしい」と警鐘を鳴らす。
 駿東猟友会沼津支部の佐藤辰夫支部長は「有害獣が増え、猟友会の責任が大きくなっている。講習会を生かし、無事故に努めたい」と話す。

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