杉原千畝夫妻の碑前祭 「命のビザ」遺功しのぶ 沼津

 第2次世界大戦中、ドイツの迫害からリトアニアへ逃れたユダヤ人に日本への通過査証(ビザ)を発給して救った外交官杉原千畝(1900~86年)と沼津市出身の妻幸子さん(1914~2008年)の功績をたたえる第2回碑前祭「命のビザ希望の集い」が30日、同市の港口公園で開かれた。イスラエルやリトアニア、ポーランドの在日大使館関係者や頼重秀一市長らが出席した。

顕彰碑の前で杉原夫妻の遺徳を語るイスラエルのコーヘン駐日大使(左)=沼津市の港口公園
顕彰碑の前で杉原夫妻の遺徳を語るイスラエルのコーヘン駐日大使(左)=沼津市の港口公園


 参加者は2020年に同公園に建立された顕彰碑に花や茶を供え、夫妻の遺功をしのんだ。イスラエルのギラッド・コーヘン大使は「インターネット上では人種差別がまん延している」とし、杉原夫妻の行動は「人種差別に反対する大切な価値観だ」とたたえた。リトアニアのオーレリウス・ジーカス大使は、ロシアのウクライナ侵攻で多数の避難民が生まれている現状に言及し「杉原さんの行為は今も非常に大きな役割を果たしている」と述べた。
 碑前祭は顕彰碑を建立した同市の「命のビザ・杉原千畝顕彰会」が主催した。同会の松下宗柏代表はウクライナの現状に触れ「杉原夫妻の示した人道の精神は人類にとって『希望の光』だ」とあいさつした。同会は11月に講演会やパネル展も開催する。

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