浜松市行政区再編「中央区・浜名区は妥当」 審議会が答申

 浜松市行政区画等審議会は1日、行政区再編後の3区の名を「中央区」「浜名区」「天竜区」とする市の提案を妥当とする答申書を市に提出した。市役所で鈴木純哉会長、伊藤徳江副会長が山名裕副市長に手渡した。市は今後、各区協議会の意見を聞いた上で、来年2月に市議会に提出する区再編関連条例案に明記する方針。事実上、これらの区名の採用が確実になった。

山名副市長に答申書を手渡す鈴木会長(中央)=浜松市役所
山名副市長に答申書を手渡す鈴木会長(中央)=浜松市役所

 答申に先立って開かれた審議会会合で、市は中、東、南、西区と北区三方原地区の仮称A区で「中央区」が、浜北区と北区の大部分の仮称B区で「浜名区」が、それぞれ市民アンケートで最多の票を集め、市議会特別委員会でも異論がなかったことを報告した。
 審議会委員から「中央区」について、「位置的に真ん中ではなく一番南側にある」と指摘があった。ただ、他の委員から「都市機能の集中という意味もある」「市民の投票結果で圧倒的」との意見が相次ぎ、市の提案を認める結論に至った。鈴木会長は「未来の浜松に向け、区名が一体感の醸成に役立つと期待している」と話した。
 

新区名答申 市民 賛否さまざま

 浜松市行政区画等審議会の答申で再編後の区名が「中央区」「浜名区」となることが確実となった1日、対象区域の住民から賛否を含めてさまざまな声が聞かれた。
 「中央区」となる現在の中、東、南、西区と北区三方原地区。西区の会社員安辺綾乃さん(25)は「分かりやすく、違和感は感じなかった」と肯定的に捉えた上で、「範囲が広すぎる気がする。(案にあった)奏区はおしゃれで町の発展を感じる名前だと思う」と、アンケートで若者の支持が比較的高かった奏区の落選も惜しんだ。
 南区の伊藤信吾さん(81)は現区名の消滅に「さみしい。西区で生まれ中区に移り、今は南区に住んでいる。どの区名にも愛着があるので、正直このままがいい」と漏らした。
 「浜名区」は浜北区と北区の大部分で構成される。北区細江町のパート従業員山中啓輔さん(70)は「浜名湖の北側地域として『浜名』は良いのでは」。同区三ケ日町の鈴木義男三ケ日文化協会長(74)はかつて三ケ日地域の地名に浜名が使われていた歴史に触れ、「親しみがある」と受け止めた。浜北区出身で北区都田地区に住む歯科助手平井由恵さん(37)は「『浜名』は浜北の人にもなじみがある。ただ、区域が広いので名前やイメージの定着に時間がかかりそう」と話した。

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